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2019-11-07 (Thu)  07:23

「当たり前の日常」が歪んでいく恐怖…「無駄話にみせかけて伏線。じっくり読んでほしい」 荻原浩さん『楽

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「当たり前の日常」が歪んでいく恐怖…「無駄話にみせかけて伏線。じっくり読んでほしい」 荻原浩さん『楽園の真下』

11/6(水) 16:56配信

夕刊フジ

★荻原浩さん『楽園の真下』文藝春秋1750円+税

 亜熱帯の島で虫パニック! コメディーからハードボイルドまで、多彩な作品を発表し続ける人気作家の新作は「サイエンスサスペンス」。当たり前の日常だったはずが、気づけば大きく歪んでいて…。(文・阿蘇望) 

 --本作のアイデアはどこから

 「単純な話で、窓を開けたとき、でっかいカマキリがいたら恐ろしいだろうなぁ、と。テーマやメッセージより先に、そういうイメージがふっと浮かんだ。それと別に、以前からカマキリに寄生するハリガネムシに興味がありました。ハリガネムシは自分が産卵するために、宿主のカマキリの脳を操って水に飛び込ませるんですよ。かなり怖い話でしょう。そういう興味のあるものが合体して、構想が膨らんできた」

 ◆窓を開けたら 巨大カマキリ

 --帯には「サイエンスサスペンス長編」と

 「サイエンスものを書こうと思ったわけではなくて、非現実的なものがいきなり出現して人間殺戮(さつりく)、では面白くないから、こういう事実がある、こういう学説もある、それならこういう可能性はある、といろいろなことを調べながら、話を進めていきました。だから後付けサイエンスですね」

 --カマキリって、見るとたしかに怖い

 「カマキリの顔って、宇宙人みたいでしょう。しかも鎌を持ってる。なかなかこういう造形のものはない。あのね、これを書いているときに、カマキリ飼ってたんです。家の庭で見つけて。本に登場するのはオオカマキリだけど、飼ったのはハラビロカマキリ。ハラビロもずんぐりしてて迫力あるんですよ。ラグビーでいうと一番前の四角い体してる人たち。あんな感じで」

 --鋭い観察眼が生きている

 「カマキリは、生き餌しか食べないんです。だからバッタとか捕まえてきて入れてました。普段はあまり動かない生き物なんですね、カマキリって。だから鈍く見えるけど、餌が目の前に来たとたんに、シュッと。待つんですね。独特な間合いがあるみたいです」

 --鎌で狩るんですか

 「そうです。両方の鎌でガッと相手を捕まえて、必ず首筋を狙う。そこから噛む。どんな体勢でも、必ず首を狙う」

 --物語の舞台は

 「モデルは小笠原の父島です。行ってみたら、ほんとに遠かったですね。丸一日かかるって聞いて、大げさに言ってるよと思ったら、12時に出航して12時着。遠かった。雄大な自然といえば、西表島も取材しましたし、昔行った屋久島のイメージも重なっています」

 ◆人物イメージ 読者に委ねる

 --サスペンス的な趣向も楽しめました

 「プロットも作りませんし、そんなに計算しているわけではないですが、のんびりしているところに突然とか、裏をかくとか、一番怖いのはなんだろうとか、いろいろ考えながら書きました。この本に限らないんですが、読者の裏をかいてひっくり返すところの描写なんかは、架空に架空を重ねて自分でも完全に信じる気分で書いてます。で、ひっくり返しながら僕自身も『わっ』と驚いたりとかします(笑)」

 --漫画家としての顔も。今作の登場人物のイラストも描かれたとか

 「普段は描かないんですよ。人物設定は、文字で簡単に覚書をするぐらい。何歳とか、決めとかないといけないことだけ。今回はたまたまです。雑誌連載で挿画の参考にと。(イラストを探し、見せてくれながら)これなんですけど、ざっくりした雰囲気だけで主人公は顔も描いていないでしょう」

 --読者に委ねるほうがいいということですね

 「たとえば今回の秋村さん(準主役級の女性)は、若くもないし美人でもないけどチャーミングで意外にモテる。そういう設定で書いていますが、読者が美女を想像しても、全然構わない。とくに主人公に関しては、いつもあまり描写しませんね。ヒントは出します。なんとなくイメージできるように髪形とか体格とかを書く。でも、はっきりとは描かない」

 --読者はそのほうが自分を投影しやすいかも

 「同じ本を読んでても、映像化するなら誰がいいかみたいな話になると、たいていみんな違うじゃないですか。あれって、その人(の価値観)が出るんですよ」

 --荻原さんの描く何気ない日常風景が好きです

 「どんな話も、人間の日々がある。ただ今回は、無駄話とかはあんまり入れてないように思います。それでも、いろいろな人間ドラマはあって、無駄話にみせかけて伏線を張っていたりもするので、じっくり読んでほしいです」

 ■あらすじ 「日本で一番天国に近い島」と呼ばれる志手島は、自殺率の高さで知られていた。興味を持っていたフリーライターの藤間は、巨大なカマキリが見つかったというニュースを聞き、この機に合わせて取材しようと亜熱帯の島を訪れる。野生生物研究センターの准教授、秋村と共に、カマキリを探しにサンクチュアリー(生態系保護地域)に分け入って目にしたのは、信じがたい光景だった。誰も気づかないうちに、危機は迫っていた。

 ■荻原浩(おぎわら・ひろし) 1956年6月30日、埼玉県生まれ。63歳。成城大学経済学部卒。広告制作会社勤務を経てフリーに。『オロロ畑でつかまえて』で小説すばる新人賞を受賞しデビュー。『明日の記憶』で山本周五郎賞、『二千七百の夏と冬』で山田風太郎賞、『海の見える理髪店』で直木賞を受賞。他にも著書多数。最近は、漫画家としても連載を持つ。



引用:「当たり前の日常」が歪んでいく恐怖…「無駄話にみせかけて伏線。じっくり読んでほしい」 荻原浩さん『楽園の真下』



最終更新日 : 2019-11-07